※このブログ記事には配布ワールド「脱出10秒前」のネタバレが含まれます。また、読む前に実際にプレイして頂けるとよりこの記事を理解しやすいかと思います。
はじめに
こんにちは。初めまして。はちみつと申します。
最近「脱出10秒前」という配布ワールドを公開したのですが、何人かプレイ動画を出してくれた方がいらっしゃったので、僕も一通り楽しく拝見させていただきました。
この場で動画投稿や配信をしてくださった皆様に感謝申し上げます。あざす!!!!!
・・・絶対に二番煎じになんかならないのでどんどん実況動画や配信して欲しい!
そこでいくつかの動画を見ているうちに「こういう所は良くない」とか「ここはこうした方が良かった」といった改善点がいくつか浮かんできたので、本ブログに書き残しておこうと思います。
「人の振り見て我が振り直せ」といったことわざもありますし、もしかしたら貴方の作っているワールドに役立つ情報もあるかも・・・?
「脱出10秒前」で良くないなと思ったところ
①難易度が高すぎる
「脱出10秒前」は、ほんの少し難しめの難易度を目指して制作しました。
全部初見でクリアできてしまうような簡単な難易度ではハラハラが全然無いですし、かといって難しすぎるとクリアする前に投げ出してしまいます。
そして何本か投稿していただいた動画や配信を見ていくと、この配布ワールドは後者に当てはまってしまうようだと感じました。
実際、かなりの時間をかけて何度も繰り返し挑戦したけど、先に進むことが出来ずクリアする前にやめてしまう方もちらほらいらっしゃいました。
もちろんゲームの腕前や得手不得手は人それぞれですので、母数に対して少ない人数がクリアできない程度の難易度だったら大した問題ではないと思います。
しかし、この配布ワールドを動画や配信でプレイして頂いた方々のクリア率は現状このようになってしまっています。
クリアできた人数よりもクリアできなかった人数の方が多いですよね。
統計を取った人数はそこまで多いわけではないので、実際このワールドを遊んでくださった方々がどうなのかは分かりません。
ただ、動画・配信上でのクリア率がこうなってしまっているのは少し問題かなと感じました。
②難易度の差が大きい
同じく難易度の話ですが、今度はステージによって難易度が大きく変わってしまうことも少し問題かなと感じました。
例えば、ステージ3「ピストン」や、ステージ4「クラフト」はかなり簡単です。
ステージ3は初見こそ理解できずにクリアできないかもしれませんが、一度仕組みが分かってしまうと毎回同じ流れでボタンを押すだけなのでとても簡単です。
ステージ4は前に出たレシピ通りにアイテムを作ればクリアとなりますが、2度クラフトするだけでクリアできてしまうので意外とすぐに終わってしまいます。
この二つはどちらも簡単で、(僕のクリアタイムになってしまいますが)制限時間10秒のうちステージ3は約5.5秒、ステージ4は約6秒程度でクリアできてしまいます。
対してステージ2「色合わせ」、ステージ7「扉」はかなり高い難易度になっています。
(同じく僕のクリアタイムですが)制限時間10秒のうちステージ2は約8.5秒、ステージ7は約9.5秒くらいでクリアできます。
簡単な方も難しい方も、何度もテストプレイしてる僕のタイムなので、実際に他の方にプレイして頂くともうほんの何秒かは遅くなるのかなと思います。
この難易度の緩急があるのは実際悪いのかと言われたらそうではないのかもしれません。
ただ、本マップは「時間制限ギリギリまで挑戦するハラハラ感」を演出したかった為、この緩急はあまり良くないのではないかと思いました。
そういえば、ステージ2で出てくる色を覚えて答えるステージ6の「記憶」もそう考えるとあまり良くないですね・・・(クリアタイムは約2秒)
③ユーザビリティが悪い
まず「ユーザビリティというのは何か」という所を軽く話しておきます。
「ユーザビリティ」は日本語にすると「使いやすさ」なのですが、ゲームでのユーザビリティは「遊びやすさ」となっています。
遊びやすさとは単にゲームが簡単とかという訳ではなく、いかに分かりやすく、直感的に遊ぶことが出来るかというものです。
※正確な定義があるらしいんですが、大体こんなもんだと思います(適当でごめん☆)
それでは具体的にどの辺が遊びにくいと思ったのかを書いていこうと思います。
【ステージ5】想定外の場所をクリックしてしまう
まずはステージ5「色合わせ2」で想定外の場所をクリックしてしまう問題です。
ここは2つある壁の投影図と同じになるようにオレンジのマークの部分をクリックしてブロックを置いていくステージなのですが、この判定がマークと一致していないので思っていた場所にブロックを置けなくなってしまうことが多々あるという問題です。
実際にクリックできる判定を出してみます。
この白い線が実際の判定です。
少し分かりにくいので一か所を別の色でなぞってみます。
水色でなぞってみました。
このオレンジの点に比べて、水色の枠はかなり大きいですよね。
これだと下のような状況が起きてしまいます。
視線は下のオレンジに合っていますが、このままクリックをすると、手前にある上のオレンジの場所でクリックした判定になってしまいます。
当たり判定を表示してみると・・・
このように手前の当たり判定に吸われてしまいますね。
当たり判定が見えていればこのようなことは起きませんが、プレイヤーから見える情報はオレンジの点のみなので、こういった状況になってしまいます。
「表示を点ではなく当たり判定と同じ四角にする」もしくは「当たり判定をオレンジの点に合わせるように小さくする」とより直感的な操作が出来たのかなと思います。
【ステージ5】色の入れ替えが出来る事が分かりにくい
またステージ5なのですが、このステージでは間違った色を入れてしまっても、もう一度別の色のブロックを持ってクリックすることで「色の入れ替え」が出来ます。
ただ、そこに気付けず「ミスったら終わり」と思い込んでしまう方も少々いるみたいです。
更に先ほど上で話した当たり判定の問題もあるので余計に理不尽にミスをしてしまうといった状況が発生してしまい、結果的に余計なストレスを与えてしまいます。
これの解決策としては「元々別のブロックを入れておく」ことでブロックの入れ替えが出来るという事が伝わりやすくなるのではないかなと考えます。
それに、そうすればオレンジの点も不要になるはずです。
【ステージ7】配られた紙に気付きにくい
ステージ7「扉」では最初にコードの書かれた紙が配られて、そのコードを扉に入力して進むという流れになっています。
しかし、このコードの書かれた紙はホットバーの一番左に配置される為、そこにカーソルが合っておらず配られたことに気付かない人も多数いました。
この紙はルートテーブルを用いて生成しているのですが、/loot giveを使って配っている為にこのようなことが起きてしまいました。
解決策は単純に/loot replaceでメインハンドを指定してあげれば、ホットバーのカーソルの位置に紙が配置されるので、コードに気づかないといった事態にはならなかったのかなと思います。
【ステージ7】ボタンが押しにくい
ステージ7はキーパッドを押して数字を入力するのですが、このキーパッドのボタンが押しにくいと言っている方も結構いました。
キーパッドのボタンの当たり判定は見た目通りなので、先ほどあったステージ5とはまた別の問題となります。
押しにくい原因は「キーパッドが小さい事」や「数字間の距離が近い事」だと僕は考えます。
しかしこの問題の解決は少し難しく、「見た目」と「押しやすさ」を天秤にかけてちょうどいいバランスを導き出さなければなりません。
どういう事かと言いますと、キーパッドを単純にこれ以上大きくすると、見た目に難が出てしまいます。
ドアのサイズが高さ2mなのに対しこのキーパッドは約1m程ありますが、現実的に考えてそもそも1mのキーパッドは大きすぎます。
ただ、ここは横幅1mのはしごや、1m程あるレバーが存在するマイクラの世界なので、1mくらいならそこまで違和感がありません。
ただ、それ以上大きくしてしまうとかなり違和感を感じる見た目になってしまう可能性があります。
なのでここは本当に難しい問題かなと思います。
【主にステージ7】背景と文字の色が被っていて見づらい
このマップの背景は主に白で、ステージ7で配られるコードの色もアイテムを持つと表示される一般的な白です。
普通にプレイしている分には背景の白と文字の白は割とはっきり区別することが出来ます。
しかし、このマップでは10秒という時間制限や、コードを一瞬で見て入力するという動作が必要になる分、文字と背景の色の区別がつきにくくなってしまいます。
この場合の解決策はもっと背景との色のコントラストを強くするべきです。
ただ、単純に黒にする・色を付けるだと、もしかしたら逆に見づらくなってしまう可能性もあるのでそこは工夫が必要ですね。
【ちょっぴり余談】色覚特性への対応
ちょうど色の話題が出たので、少し話の軸から逸れてしまうかもしれませんが「色覚特性」を持っている方への対応について話します。
まず、「色覚特性」とは生まれつきもしくは事故や病気で、目に見える色が他人と違ってしまうというものです。
※「色覚多様性」などとも言います。
このマップでは色覚特性を持っている人への対応はしていませんが、もし色覚特性への対応をするならどうするべきかを少しだけ話します。
まず、色の見え方が他人と違うことでどんなことが起こってしまうのかというと、区別しづらい色というのが生まれてしまいます。
例えば、色覚特性の中でも1型や2型といった分類の方は赤と緑の区別が難しく、下のように見えてしまうらしいです。
※見え方には個人差があるので絶対にこう見えるわけではありません。
このように、ほとんど区別できない色が出てきてしまいます。
そのためこのマップだとステージ2「色合わせ」やステージ5「色合わせ2」などの色を使ったステージがかなり難しいものになってしまいます。
こういう場合にどうすればいいのかと言うと、良い例が統合版のHiveサーバーにあります。
Block Partyという指定された色のブロックの上に留まるミニゲームに「カラーブラインドモード」というものがあるのですが、
これを有効にすると色ブロックに模様がつくようになり、色だけでなく模様で区別することが出来るようになります。
このように色だけで区別させるのではなく、形などで区別させることで色覚特性を持っている人でも他の人と同じように遊ぶことが出来るようになります。
「じゃあ配布ワールドを色覚特性に対応させないといけないじゃん」という感じになってしまいますが、それは少し微妙です。
対応した方が良いのは間違いないですが、それにかかる時間や手間を考えた上で判断すれば良いのではないかなと思います。
以上、(全然ちょっとじゃないけど)余談でした笑
④バグがある
バグがあるのは正直仕方ないです。
しかしバグにも程度があって、一番酷いのは進行不能になってしまう事。
幸いこのマップにはそういった類のバグはまだ発見されていないのですが、細かいバグがちらほらあるのです・・・
【ステージ4】配られた素材がそのまま残ってしまう
まずプレイに支障が出てしまうレベルのものから。
ステージ4「クラフト」で、特定の条件下で配られた素材のアイテムが消えずに残ってしまうというバグがあります。
結果、ステージ2「色合わせ」で配られた9つのろうそくの内1つが、手持ちではなくインベントリの奥に行ってしまうという問題が発生してしまいます。
これは正直製作段階で分かっていたバグなのですが、原因が分からずどういう条件でこうなってしまうのかが分からなかったのでとりあえず「clearコマンドを所々で実行する」という強硬手段を使ったのですが、それもうまくいかなかったみたいです。
【ステージ8】ボタンを押したところと違う部分が置き換わる
これは逆に大したことないバグです。
ステージ8「間違い探し」では間違いを見つけるとこのようにボタンが出現し、それを押すと間違っているブロックが元に戻ります。
※とてつもなく分かりにくいですがボタンの位置のブロックは周りと違います。
しかし、ここのボタンを押すと違う位置のブロックが修正されてしまうというバグがあります。
これの原因は明らかにsetblockコマンドの座標の記述ミスです。
なので、解決策はコマンドを直せばOK!
⑤ズルができる
先に言っておきます。僕は一応ズルは大歓迎です。
このマップはデータパックベースで作っているので、クリエイティブ等でマップをスキップしたりするのは少し難しくなっています。
ただ、最近新しく追加された「/tickコマンド」を使われてしまうとマップがものすごく簡単になってしまいます。
/tickコマンドはマイクラの1tickの長さを変えるコマンドで、つまりマイクラの内部の時間を早くしたり遅くしたりできてしまいます。
ということは10秒のカウントダウンを遅くすることも可能で、めちゃくちゃ簡単になってしまいます。
更にこのマップはクリアタイムを最後に表示するために裏でタイム計測を行っているのですが、tickコマンドを使って遅くするとそのカウントも遅くなるのであたかも超爆速クリアしたかのように見えてしまいます。
タチの悪いことにtickコマンドはデータパックやコマンドブロックでは使うことが出来ないので、時間の流れを固定して絶対にtickコマンドを使わせない戦法も使えないのです・・・
しかし、対処法は一応思いついています。(思いついてるだけですが・・・)
実はコマンドを使って現実世界の時間を知ることが出来るので、現実世界の時間とマイクラの1~数tickの時間のズレを検知して、tickコマンドを使っていると分かったら失敗判定にするといった感じの処理が作れるはずです。
まぁ、完全に机上の空論なので実際作れるかは分かりません!誰か代わりに作ってー!!!
さいごに
まず、こんな長い記事を最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!まさかここまで長くなるとは思わなかったぜ・・・
僕はあまりこうやって振り返る事が出来ないので、これを機に日々挑戦と反省を繰り返せたらいいなぁ~・・・なんて思っています。
ここまで長々と話しておいてアレですが、今のところは今回話した改善点を実装してアップデートする予定は無いです。クリアタイムに関わってきてしまうので・・・
今回改善するべき点を洗い出していて思ったのですが・・・
「これテストプレイの時点で分かる問題ばっかじゃない?」
という事で皆さんは配布ワールドを作った際、配布する前に何人かの人にテストプレイをお願いしましょう。(当たり前)
おわり
コメント
私実は色覚持ちなのですが、(二型で赤と茶色、ピンクと灰色などの区別ができない)
テクスチャでなんとかしてるのであまり配慮は要らないのかな〜なんて思ってます
てかマイクラずっとやってると色、気合で区別してます…w
カラーユニバーサルデザインの色にテクスチャを塗ってあげるのが一つの手だと思いますね〜
模様が一番いいですが書かれている通り面倒ですからね…
一応、そういう色を隣とかに置かれるとべりーべりー辛いです
(余談ですが素晴らしいブログの書き方ですね…)
コメントありがとうございます!
慣れると気合で区別できるんですか・・・笑
確かにUDの色に統一するのが一番楽で自然な対応ですね!僕も含めマップ製作者さんがよりこういった話を(実装するかは別として)頭に留めておくことだけでもしてくれると嬉しいですね~
Tick コマンドはずっと /tick rate 20を打っておけばいいんじゃないですか?
記事にも書いた通り、tickコマンドはコマンドブロックやデータパックでは使えないコマンドなので、わざわざ複雑な対処をするしか無いのです・・・
じゃあもういっそコマンドを
使えないようにしてしまえばいいのではないでしょうか?
それは確かに有効な手段ですね。後から簡単にコマンドを使用可能にする事は出来てしまいますが、使いにくくなるだけでも少し抑止力にはなりそうです。
ただ今回話したのは、tickコマンドを絶対に使えないようにする(使うと先に進めないようにする)のが目的なので、上記の方法だといささか不十分ですねー・・・
現実世界の時間を知るコマンドを教えてくださいそうすれば作れるかもしれません
まずコマンドブロックを設置して空のコマンドを実行し、data modifyのstringでコマンドブロックのログの時間の部分だけ取り出します。※この際設置してから2tick待つ必要があるみたいです。
一応この記事に書かれていたものは作ったのでご自由に使ってもらっても大丈夫です!
https://github.com/hatimitsu888/Press10/tree/main/datapacks%2Fpress10%2Fdata%2Fpress%2Ffunctions%2Ftick_detection