Tale『リバースメルト』

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本Taleには、マップ『めるとぴあ』のネタバレが含まれております。

未プレイの方は閲覧をお控えください。

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……ん。

…誰だアンタ。

『旅人』?こんなコンビニ一つもありゃしないヘンピなとこに、よくもまぁ……

…あぁそう。まあ歓迎するよ。汚いとこだが入りな、ここんとこずっと人間と話せてなかったモンでな、アンタが来てくれて丁度よかったさ。

ホラ、茶だ。まあ座んなよ。

…「ガチャって音がした」?

あぁ、この小屋の扉はオートロックがあるんだ。

ただの変なトコ住んでるおじさんだと思っただろ?こう見えても昔は優秀な研究員だったんだよ。そん時の知識を使って、この家の安全を担保してんのさ。

…そんな優秀なヤツがなんでこんなとこ住んでるのかって?はは、旅人ってのは人の話を聞くのが好きだねえ。いやいや別に渋ってるわけじゃない、俺達みたいなおじさんってのは自分の昔の話をするのが好きだからな。

そうだなぁ…アレは何年前だったかな。

その日の研究所での仕事が終わって家に帰ってる時だった。この辺りの林の中で、『リバ』と名乗る一人の少年と出会ったんだ。

なにやらウチの研究所に用があるらしくって、白衣の俺と会うなり「閉じ込められてる」「確かに聞いた」「××研究所だ」だとか口走っちゃって。

まーうちの研究所は秘密主義だったからな、初めのうちは相手にしなかったんだが…あまりにも鬼気迫る表情で何度も尋ねてきたモンだから、ついにおじさん根負けしちゃってねえ。

教えちゃったんだよな。研究所の場所。

そんでまあ、翌日研究所に行ってみれば、俺たちの研究そのものであるロボットの少女が消えてたんだ。ついでに研究員も何人か消えてたし、機材もそこそこぶっ壊れてた。研究所にとっては世紀の大損失ってやつだな。

ま、全部あの少年の仕業だったんだろうな。その後俺は責任を問われて研究所をクビになった。それでも俺は良いと思ってたんだ。だってあの研究内容もそれを進めてる所長も、なァんかキナ臭かったんだよな。あの女の子は…ロボットにしては人間味がありすぎた。色々とおかしかったんだ。だから研究所が壊れてよかったと、俺は今でも思ってる。

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そう思ってんだよ、バーカ。

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さて、今更なんの用だよ?『所長』。

はは…言わなくてもわかってるさ。何動揺してんだよ、顔を変えた程度で誤魔化せるとでも思ったのか?

どうせ俺から「リバ」の所在を聞き出そうとしたんだろ。あの少年をぶっ殺して、あの少年の腹の中に眠る「メルピナ」の残骸を取り出して…研究を続けようと。そう思ってんだろ。知ってるさ。一度溶けちまった研究を再び固めようと。そうしたいんだろ。

俺ぁ男だからよ、カッコイイもんが好きなんだ。俺はあの日自分の身を顧みず女の子を救いに行ったあの少年の事を、すげえカッコイイと思っちまったんだ。俺が研究所での地位をかなぐり捨ててまで少年に加担してんのは、ただのそれだけさ。

…俺を始末しようってのか?はっはははは、俺がなんでこんなボロ小屋で何年も生きてきたかまだ理解できてねえのか!こんな誰も寄り付かねえボロ小屋に、なんでわざわざオートロックなんて仕込んだと思う?頭が良くても勘が悪くちゃあ長生きできねえぜ、所長さんよ!

はは───もう逃げらんねえぜ。俺の計画は逆溶解性なんでな、爆発することで完成すんだ。

悪いな、黒幕。俺はヒーローの未来を、応援したくなるんだよ。」

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カチリ、と。

男の背後で、小さく何かが起動する音がした。

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翌日。

新聞の三面記事の中の一枠に、山奥での爆発事故が記載された。

”小屋があったと推定される場所から、身元不明の遺体が2つ発見された。何も手掛かりが掴めなかったため、熟考の末に捜査は断念された──────”

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